涼宮ハルヒシリーズの第2作目「涼宮ハルヒの溜息」の感想をまとめてみました。
「涼宮ハルヒの溜息」の公式解説 by amazon
宇宙人未来人超能力者と一緒に遊ぶのが目的という、正体不明な謎の団体SOS団を率いる涼宮ハルヒの目下の関心事は文化祭が楽しくないことらしい。行事を楽しくしたい心意気は大いに結構だが、なにも俺たちが映画を撮らなくてもいいんじゃないか?ハルヒが何かを言い出すたびに、周りの宇宙人未来人超能力者が苦労するんだけどな―スニーカー大賞“大賞”を受賞したビミョーに非日常系学園ストーリー、圧倒的人気で第2弾登場。
「涼宮ハルヒの溜息」のみんなの感想 by amazon
まず最初に、このレビューはハルヒシリーズに
少しでも触れたことのある人を対象に書きますので、
全く知らない!という方には一切何を言っているのか…ということですのでご了承下さい。
この「~溜息」は、他のレビューでもある通り、評価が低くされがちです。
ただし、それは直接的に「おもしろいか、おもしろくないか」の評価であり、
正しくもありますが、私的には「違うのかもしれない」とも思います。
どういうことかと端的に言いますと、下地だと思うのです。
自主制作映画という題材を元にしながら、
各キャラクターの特性や属性、長所や短所、関係などを描いています。
ですので、それは読み手によっては展開が遅いとも取れますし、
同じようなことを何度も表現しているとも取れます。
しかし、この作品が生きてくるのはこの先です。
あの時(つまり「溜息」のとき)、あんなだったキャラにこんな変化が…
あの時こうだったのに、今はこんな関係に…
といった具合に、この作品があるから、この先の作品が立つのだと思いました。
元々読みきりのつもりで書かれた「憂鬱」が、シリーズ化するにあたり、
結果的に見ると改めて書かれたこの丁寧な下地は必要だったのではないでしょうか。
この先の作品にも☆5を付けているのですが、
これを読まず、その他の作品に☆5を付けたかと聞かれると、
もしかしたら違ったかもしません。
そういった意味で、私にはこの作品にも☆5の価値があるのです。
他のハルヒシリーズを読まず、これ1本だけ読むという人にとっては…
まぁ恐らくいないでしょうが、☆1~3とかぐらいかな?
1巻(憂鬱)は、楽しい事が無くてストレスが溜まると、異次元空間が生まれて謎の巨人が街を壊しまくる…という話だった。
2巻(溜息)は、ハルヒが文化祭用の映画を撮影する話で、彼女がストレスを溜めない為には思う存分映画を撮らせるべきなのだが、ハルヒの願望が「現実改変能力」を発揮して周囲に「SF映画の特撮効果」を実体化させてしまう。という、ジレンマ解決に奔走する話。
SOS団の団員「古泉」は「この世界は3年前にハルヒの心が生み出したもの」という仮説を支持する「機関」のメンバーだが、その仮説によると、3年より前の出来事は、初期設定のようなものだという。
ハルヒが常識ハズレなことを思い込むと、それは「設定を書き換える」ような効果を発揮して、どんな非常識も現実化してしまう。映画制作に熱中してSF・特撮的なことを考えると現実が歪む。
「ハルヒの気が済むように映画を取りつつ、現実を守る」にはどうすれば良いのか、ということに、SOS団のメンバーが振り回されるが、超古典的決着を見るのがミソ。
SFを読んで長い人なら、ふふ~ん、と納得できるような方法で。
後続の作品への流れの中での位置づけとしては、「ハルヒがその気になるとここまで無茶苦茶な事が起きる」という設定のためにあるような話。
ネット批評を眺めると「あまりにもわがままが過ぎて荒唐無稽」という批判を目にするけれど、そんなわがままな彼女をキョンがどう受け止め、御していくのかと言うこの先の話を面白くする為には必要な話で、つまり敵は手ごわいほど面白い、と。
ストーリーは「行き当たりバッタリの素人映画制作」の話だが、個々の断片は「どこかで見たようなSF・アクション映画のパロディー集」としても楽しめるので、どれだけネタ元を見極められるか、映画好きにはそれも楽しい。
思いつきで撮影して編集で作り上げるのだ、というハルヒの言い分は、どこかの「香港映画の巨匠」みたいで、ハルヒなら本当にやりそうでドキドキものだが、キョンの立場ではひたすら頭が痛いだけなのが、これも笑える。
ところで、この作品はSFの古典を下敷きにしたネタが頻出するのだが、 「長門有希は宇宙人(情報統合体)の有機端末」だ、という設定は、とっても SFだ。
ただの萌えアニメならば、「萌えキャラの宇宙人」として済むところを、肉体も無く人間とは全く意思疎通の出来ない純粋情報の塊りである宇宙人が、人間を観察する為に創り出したコミニュケーション装置としての、人型端末。
…という設定によって、宇宙人は人間と同じ姿をしているはずが無い、というハードSFの常識(約束)を守りつつ、人格的には未完成で無口、そのうえ「萌えキャラ」であることの必然性を有することになった。
人類、しかも高校生男子と協調して作動する為には、相手の「仲良くしたい、守ってあげたい本能」を刺激するのが効果的、効率的だから(笑)
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涼宮ハルヒシリーズの感想日記
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